委託販売のマメ知識

「競合の価格」「値下げに対する考え方」

こんにちは!栃木県、県央から県北エリアの不動産売買専門店「イエステーションお家ネットワーク」の増渕です。

インターネットで物件情報を調べられなかったころというのは、周辺でどのような物件が売られているのかを知ることは難しいことでした。

 

「近所で似たような物件が少し安く売っている」

といった情報も昔はわかりませんでしたが、今ではスマホを少し操作すればすぐに調べることができます。

 

 

さて、突然ですが質問です。

近日中にご自宅であるマンションの1室について、売却活動を開始予定です。

しかし、同じマンション内で面積や間取りなどの条件がよく似た物件が、既に2件販売中でした。

1件は2,900万円、もう1件は2,650万円です。

ご自宅の売却価格はいくらに設定されますか?

 

 

既に売却を検討されているわけですから、恐らく事前に査定価格の提示を受けていることと思います。

本来であれば、査定価格を基に適正な価格を検討するのが通常ではありますが、質問のようなケースですと、そうはいきません。

査定価格うんぬんではなく、「販売中の2件と比較してどのくらいの立ち位置で出すか」という方が重要になってくるためです。

 

買主様目線で一度考えて頂けるとわかりやすくなると思います。

同じマンション内に似たような部屋が3件あれば、基本的には全てを候補として見比べるはずです。

そして、お部屋のコンディションと価格を加味して最終候補を選んでいくわけです。

 

となれば、他の2部屋と比べて明らかに優れていれば3,000万円をつけてもいいでしょうし、反対に劣る場合には2,500万円ほどにしなければならないかもしれません。

 

 

または、コンディションは関係なく、至急の売却であれば2,480万円など割安感を演出する必要が出てくるでしょう。

つまり、競合との比較が優先され、査定価格は一旦意味が薄れてしまうのです。

 

こうした場合、査定価格は一旦置いておき、どのような売り方をするのか、不動産会社と協議する必要があります。

他のお部屋のコンディションはどうなのか、ご自宅の売却は急ぐのか、気長にいくのかなど、前提条件をすり合わせて相談を進めていきます。

 

急ぎでなければ、一旦は強気の価格で出しておき、追々に値下げを検討するといった方法も可能です。

大切なのは一度価格を出したら、基本的に値上げはできなくなることです。

他のお部屋が先に売れてしまえば、その後は競合の無い状態で販売が可能になります。

時間があるのであれば、他の部屋がなくなった後も見据えた作戦をとることもできるのです。

 

ちなみに、当然ながら値下げは慎重に検討する必要があります。

不動産会社の中には、無暗に値下げを提案してくるような業者も存在していますので、注意が必要です。

「しばらく活動しましたが引き合いがないので下げましょう」と平気で行ってくる担当者さんが少なくないのです。

しかし、その「活動」は十分なものだったでしょうか?

チラシはちゃんとまいたでしょうか?

ウェブサイトには見栄えの良い写真をたくさん載せていますか?

自社サイトだけでなく、大手サイトや他社サイトも駆使して広告はしているでしょうか?

価格を下げなければならないときはあります。

しかしそれは「やるべきことをやってから」または「期限が到来したら」のどちらかが基本です。

 

専属専任媒介をした場合は1週間に1回、専任媒介契約は2週間に1回、不動産会社から報告書が来ているはずです。

値下げを提案された場合は、それを今一度見返してみてください。

報告書から努力が読み取れるのであれば、値下げには一考の価値があります。

しかし、そうでないのであれば安易に下げてはいけません。

 

それなのに執拗に値下げを迫ってくるような担当者も中にはいますので、そうした場合は媒介契約の解消も選択肢の一つになると思います。

 

 

売り出し価格の決め方

 

 

今回は、売出価格の決め方について解説致します。

 

一般的な流れとしては、我々不動産会社から提示させて頂く査定価格を参考にして頂きながら、売主様に決めて頂くという流れです。

 

 

ただ、「査定価格を参考にして」という表現は今までにも何度かさせて頂きましたが、詳しく触れてはこなかったので、補足させて頂ければと思います。

 

ご自宅の売却であれば、査定のほとんどは「取引事例比較法」という手法で算出されています。

近所に似ている物件が過去に売れた価格を根拠として期待できる金額を算出する方法でした。

この査定方法で算出された価格を参考とする場合に知っておいていただきたいことがあります。

 

この査定方法には、実は2つの弱点があります。

 

1つ目の弱点は「適した事例が無いと精度が著しく下がる」です。

まずは事例の数が重要です。

複数件の適した事例があれば査定の精度は高まりますが、1件しかない場合には根拠としてはかなり弱くなってしまうのが難点です。

次に重要なのは事例の時期です。

おおむね一年以内が好ましく、2年以上前の事例を参照する場合は周辺相場の変動値なども加味したほうが良く、検討要素が増えてしまうこととなります。

 

2つ目の弱点は「旧売主様の売却理由は不明」です。

取引事例を蓄積するデータベースには基本的に旧売主様の売却理由は残りません。

例外としては自社のお客様であれば、自社の顧客情報内に履歴があるかもしれませんが、そうでなければ知る手段というのは基本的にはありません。

 

しかし、売却理由というのは価格に大きな影響を及ぼすものですから非常に重要な情報です。

例えば、とても売り急いでいた案件であれば相場よりも格安にしてしまっているかもしれません。

そのような事例を根拠として比較法を使ってしまうと、算出される査定価格も相場よりも低い「売り急ぐ場合の価格」になってしまいます。

 

これは逆もまた然りです。

通常よりも大幅な高値で成約できた事例を参照してしまうと、中々買い手がつかず売却期間の長期化を招く恐れがあります。

 

こうした弱点についても把握したうえで、査定結果を眺めて頂くと、今まではわからなかったことが見えてくるかもしれません。

また誤った判断を防ぐ助けにもなるかもしれませんので、ぜひ覚えておいてください。

 

ただ、ここまで得た情報をフル活用して、考えうる最適な答えを出したとしても、不動産売買というのは相手があって成り立つものです。

買い手側の事情、予算、タイミングによっては「最適」なだけでは適合しない可能性もあります。

極端な話、本当の最適は買い手がつくまでわからないのです。

 

しかしそうはいっても決めなければ始まりませんし、終わってみなければ結果もわかりません。

だからこそ、後悔をしない為に、明確な根拠をもって判断をする為に、判断材料となる情報と知識が重要となります。

 

過去の事例を参考にしつつ、ご自身の事情も加味し、競合についても把握して、価格を含む販売戦略を決めていくのです。

こうして並べてしまうと非常に大変な作業であることが改めて分かります。

 

しかし大丈夫です。

我々がプロとしてサポートさせて頂きますので、ご遠慮なくご相談ください。

 

 

売出価格の軸となる3種類の価格

 

 

売却活動を始めるにあたっては、査定資料を基にして、不動産会社と相談しながら売出価格を検討していきます。

そこで価格を決めるにあたって、考えておくべき価格が3種類あります。

 

  1. 最低価格
  2. 売れる価格
  3. 売りたい価格

 

1.最低価格

「ここまで下げればすぐ売れる価格」か、

「下回ってしまうと売れない、売る意味がないといった下限」

のいずれか高いほうになるかと思います。

 

住宅ローンの残債がある場合は、大きな判断基準になるでしょう。

基本的には、下限価格は下記のような式になります。

「ローン残債+売却時に必要な費用-支出可能な現金」

 

 

ローン残債が1,800万円、諸費用50万円、手持ちは80万円だとすれば、

「1,800万円+50万円-80万円=1,770万円」となり、少なくとも1,770万円以上であれば売却は可能です。

ただ、その金額で売ってもいいかどうかは別途意思決定を要するということですね。

 

2.売れる価格

基本的には不動産会社の査定額が該当します。

※高額査定には要注意

※ちなみに、査定価格は「おおよそ3ヵ月以内に成約できるであろう価格」とされていることが多いです。

 

3.売りたい価格

売主様が希望される売却価格です。

 

この3種類について不動産会社と相談をする必要があります。

 

通常、この3種類の価格は番号順に高くなっていきます。

「1」 が最も安く「3」が最も高くなります。

 

もちろん「3」を追求するのが理想ではあります。

しかし、状況に応じて戦略を立てる必要がありますので、3種類すべてを把握しておくことは大切な作業なのです。

 

例えば、2ヵ月以内に売らなければならない場合を想定してみましょう。

この場合、期限が迫っており「2」で想定されている「3ヵ月」よりも販売可能期間は短くなっています。

それよりも短期間で成約をする必要がありますので、少なくとも「2」と同等か、多少安くしておくべきであると言えます。

 

しかし、多くの売主様はチャンスを期待されていますので、妥当な価格なのであれば少なくとも「2」でスタートしたいと考えられます。

これ自体は問題ありません。

しかし期限は短い。

このようなときは、事前に値引きを判断する時期と価格を決めてしまうのがおすすめです。

 

「最初はチャンスを期待し相場相応の「2」で販売スタート」

「1ヵ月後、期限も1ヵ月を切るため価格を〇割落とす」

といったように事前にスケジュールを決めておくのです。

ちなみに、もしも1ヵ月後に値下げを検討するとなった場合には、「1」を思い出して頂き、少なくともそれ以上の価格は維持しておく必要があります。

 

 

 

3種類の価格を決めておくことで、上記の例のように、状況に応じた判断がスムーズにできるようになります。

複数の査定資料に目を通すときや、売出価格の検討時には、ぜひこの3種類の価格をご検討ください。

 

 

事前の戦略構築の大切さ

 

 

今回は、実際にあった事例を基にご自宅の売却戦略について説明をしたいと思います。

 

1.Iさんの場合

Iさんは、既にご自宅マンションを所有しており住宅ローンを利用しています。

しかし、お子様の成長を機に、近くの新築一戸建てを購入することにしました。

新居の引き渡しまでの6ヵ月間で、現住居の売却を完了しなければなりません。

期日が明確に決まっているため、焦ってはいましたがお子様の進学費用等、貯蓄もしておきたいのでなるべく高く売りたいとのこと。

 

    <査定結果>

  • 最低価格=2,650万円
  • 売れる価格=2,800万円
  • 売りたい価格=3,200万円

 

期限が決まっているとはいえ、半年間とそれなりの期間があります。

そこで初期はご希望にそって強気の価格設定で勝負することにし、期限が迫っていくにつれ段階的に値下げをしていくプランとしました。

 

  • 初月…3,280万円
  • 1.5ヵ月目…3,150万円に値下げ
  • 3ヵ月目…2,980万円に値下げ
  • 4ヵ月目…2,850万円に値下げ
  • 5ヵ月目…2,680万円に値下げ

 

当初はチャレンジ価格だったこともあり、見学件数は少なかったものの、3ヵ月目の後半に価格交渉付き2,900万円での申込みが入り、2,930万円で着地となりました。

4ヵ月目の値下げも視野に入れていたので、Iさんとしては「価格交渉を満額受けても良い」とのことだったのですが「表示金額と交渉額の間よりは売主様が譲歩した」という表現でこの価格になっています。

結果的に、「売れる金額」を上回ることができご満足頂けました。

 

 

2.Eさんの場合

ご高齢のEさんは、ご自宅が一戸建てでしたが、階段移動や庭の手入れが難しくなり、老人ホームに転居することにしました。

そこで、ご自宅を売却することになりましたが、特に急ぎではないということでしたが、ご自身の年齢を鑑み、一旦は3ヵ月以内の成約を目指すこととなりました。

 

  • 最低価格=1,200万円
  • 売れる価格=1,400万円
  • 売りたい価格=1,600万円

 

Eさんからお話を聞くに、1,400万円でも問題ないとのことでした。

しかし、本来急ぎではないことと、「3ヵ月間の販売プランの中でチャレンジする分には良いのでは?」とおすすめし下記の通りとなりました。

 

  • 1ヵ月目…1,650万円
  • 1.5ヵ月目…1,580万円に値下げ
  • 2ヵ月目…1,480万円に値下げ
  • 3ヵ月目以降…1,380万円に値下げ

 

売却開始2週間目に1,500万円という申込が入りました。

活動開始直後は交渉幅の大きい申込は通常お断りするケースが多いのですが、Eさんは元々「1,400万でもかまわない」とはおっしゃっていましたので申込内容をお伝えし、1,500万円での成約となりました。

 

引渡し直前にEさんのお孫さんからお話を伺えたのですが、実はお孫さんが他社さんに依頼していた机上査定ではほとんどの査定が1,100~1,300万円の間だったそうです。

 

確かに、取り寄せた事例をそのまま計算すると、そのくらいの結果となる物件でしたが、実は周辺では2年近く成約事例が出ていませんでした。

細かく時点修正を行えば、ある程度は地価上昇分の期待値があったため、弊社の査定だけが頭一つ抜けていたようです。

結果的にチャレンジ価格での着地もでき、非常に良い取引となりました。

 

 

戦略にスケジュールは必須

 

 

売却の戦略を組み立てるうえで、重要な要素は価格以外にもう一つ存在しています。

それは、スケジュール設定です。

「3種類の価格」「スケジュール」を組み合わせることで「戦略」の大枠ができあがります。

前回のお話を振り返っていくと、その重要さは既に感じて頂けていることと思います。

期限がある場合にはそれを最優先にしますが、出来る限り売主様の意向にそって組み立てをさせて頂きます。

 

前回の2パターンについても、基本的な査定価格の提示はさせて頂いておりましたが、それ以上のチャレンジ価格についても、期限の許す限り取り組んでみるというスケジュール設定をさせて頂き、結果相場よりも高値での成約をすることができました。

 

ただ、先ほどの事例では紹介しきれていない点もございます。

最悪のシナリオも織り込んでおくことの大切さです。

 

買主様がいつ現れるかについては、どうしても運やタイミングといった不確定な要素を排除しきれません。

もしも、期限がある場合に、期限までに見つかる保証ができないのです。

しかし、物件の価値を正しく把握し、精度の高い査定を行うことで、できる限り不確定要素を抑えたスケジュールの作成が可能になります。

期限にゆとりがあればチャレンジ期間も設けますし、期日が近ければ現実的な価格や、早期成約を狙った価格設定を行っていき最悪の事態を避けています。

 

また、その中で少しでも好条件で売却するには、市場の反応を見ながら値段を調整していくことがきわめて重要となります。

そして、その市場の反応を見きわめるためにも「3種類の価格」と「スケジュール」を活用した戦略は重要な役割を担っています。

 

「最初の〇ヵ月目まではチャレンジ価格の▲▲▲万円」

「■ヵ月目まで、成約に至らなければ×××万円まで値下げをする」

といった段階的なスケジュール設定をし、市場の需要を探っていくのです。

 

戦略をもって売却活動ができれば、成約後に「もっと高く売れたのでは・・・」といった後悔もせずに済みます。

さらに、事前に値下げのスケジュールも相談しておくことで「不必要な値下げを迫られるのでは」といった不安も解消することができます。

 

つまり、売却の戦略を組み立てることは、

「売りたい価格」から「最低価格」の間で「市場の求めている価格を探っていく」という作業ともいえるのです。

「競合の価格」「値下げに対する考え方」

日光店 増渕 雅史

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