委託販売のマメ知識

売却時に必要な6つのお金

こんにちは!栃木県、県央から県北エリアの不動産売買専門店「イエステーションお家ネットワーク」の増渕です。

不動産の売却時には、いくつかの費用が掛かります。

基本的には売却益から支出しますので、貯蓄からの持ち出しが必要になることは少ないです。

今回、6回にわけて解説していきます。

 

  1. 仲介手数料
  2. 抵当権の抹消関連
  3. 印紙税
  4. インスペクション費用※任意
  5. 測量費※土地の境界が明示できない場合のみ
  6. 税金※譲渡所得が発生する場合のみ

 

 

売却費用として代表的なものは、仲介手数料や抵当権抹消にかかる費用、印紙税、売却で発生する所得税、測量費などがあります。

ただ、マイホーム売却の場合、減税措置が複数ありますので、要件を満たせば所得税等の税金はかからないケースもあります。

 

また、土地を売買する場合は、境界を明示することが非常に重要になるので、証拠となる資料が不十分であると測量費が必要になるかもしれません。

 

2018年の法改正以降は、売却前に建物の診断を受ける「インスペクション」を実施する事例が年々増加傾向にあります。

買主様の視点に立つと、やはりインスペクション済のほうが安心ではありますので、物件の状況や、競合物件の実施状況によっては検討すべきケースもあるでしょう。

 

このように、不動産売却には状況に応じてさまざまな費用が発生しますが、なにがかかるのかはケースバイケースです。

特に税金は、売却の進め方やタイミングによって大きく金額が変動してしまうことがありますので、何かしらの行動を起こす前に、状況を把握しておくことが重要になります。

全てのケースを網羅することはできませんが、優先度の高いものからいくつかを紹介させて頂ければと思います。

 

売却時に必要なお金① 【仲介手数料】

 

不動産会社が売主様と買主様の間に立って、取引を安全かつ円滑に進めることを「仲介」といいます。

そして不動産会社は、売買契約が無事締結されると、成功報酬として仲介手数料を頂戴しています。

 

この仲介手数料ですが、法律で不動産の取引額に応じた上限額が決められています。

 

・200万円以下:取引額の5%
・200万円超から400万円以下:取引額の4%+2万円
・400万円超:取引額の3%+6万円
※別途、消費税が発生します。

 

例えば2,000万円の売買取引だった場合、

2,000万円×3%+6万円=66万円(別途消費税)

が仲介手数料の上限額となるわけです。

 

ちなみに、取引額が400万円以下の物件は例外が認められており、仲介手数料以外に、現地調査費等の費用相当額を請求される可能性があります。

(仲介手数料と現地調査費等の合計額は「18万円+消費税」が上限)

 

この例外は、2018年の法改正で認められるようになりましたが、増え続けている空き家の取引活発化を後押しする目的があったようです。

 

 

売却時に必要なお金② 【抵当権抹消】

 

住宅ローンを返済中の売却ですと、住宅ローンの残債は、売却で得たお金を使って返済をします。

不動産の所有権を移転するにあたっては、売主様の抵当権を消さなければなりませんので、不動産の引き渡し手続きは

「売却代金受領→ローン完済→抵当権抹消→所有権移転」

という順番で行われますが、この手続きには基本的に全てお金がかかります。

ローンの完済には銀行の手数料が、抵当権の抹消と所有権移転には登記費用が必要なのです。

 

ちなみに所有権移転登記の費用は買主様負担になるので、売主様が負担するのは、あくまで抵当権抹消に関する登記費用のみです。

登記費用の内訳としては、登記を行う司法書士への報酬と、登録免許税という登記をするのに必要な税金を合計したものになっています。

 

この登記費用について、相場も含め、もう少し詳しく解説します。

 

「登録免許税」

住宅ローンを借りると、購入した不動産の土地と建物、それぞれに抵当権が設定されます。

この抵当権を登記簿から消す登記を「抵当権抹消登記」といいます。

ちなみに「消す」と申しましたが、登記簿は一度書かれた文字を消し去ることはできないので、実際には該当する部分の文字にアンダーラインが引かれるようになります。

 

抵当権抹消は、司法書士が法務局に届け出を行います。

この手続きにかかる費用が、登記費用というわけです。

登記費用は2つの費用からなっており、司法書士に支払う報酬と、法務局に支払う手続き費用である登録免許税の合計額を指しています。

 

抵当権抹消の登録免許税は、不動産1件につき1,000円です。

土地は単位を筆(フデ)と数えますが、複数の筆がある場合には、その筆の数だけ1,000円の登録免許税がかかります。

同様に、建物も1棟につき1,000円という考え方です。

 

 

 

「司法書士の報酬」

司法書士報酬は司法書士ごとに異なりますが、大体1.5-2万円前後で収まることが多いです。

ただ、これはあくまでも目安ですのでご注意ください。

対象となる不動産の件数が多い場合や、権利証の紛失、入院などで決済に来られない所有者の元に出張が必要な場合など、案件ごとの状況により報酬金額は異なります。

実際の金額は、事前にお見積もりを取っておくべきでしょう。

 

売却時に必要なお金③ 【印紙】

 

印紙税とは、売買契約書や領収書などに印紙を貼付して納税する税金です。

 

不動産は金額が大きいため、普段は見たことのないような金額の印紙を貼ります。

印紙税の金額は売買金額によって異なりますので、下記に列挙します。

 

取引金額:印紙代
1万円未満:非課税
1万円以上10万円以下:200円
10万円超50万円以下:200円
50万円超100万円以下:500円
100万円超500万円以下:1,000円
500万円超1,000万円以下:5,000円
1,000万円超5,000万円以下:10,000円
5,000万円超1億円以下:30,000円
※2020年4月1日時点の情報です。

 

ご自宅の売却ですと、売買金額は「1,000万円超5,000万円以下」または「5,000万円超1億円以下」のゾーンであることが多いので、1万円か3万円の印紙を使う可能性が高いでしょう。

 

なお、印紙税額については、本記事の作成時点のものとなります。

印紙税は金額改正が時折行われますので、売却時に改めて確認してください。

 

売却時に必要なお金④ 【インスペクション】

2018年4月の法改正により、不動産会社は、売主様にも買主様にもインスペクションのあっせんをすることが義務付けられました。

これによりインスペクションの実施数は増加傾向にありますので、費用の目安についても触れておきたいと思います。

 

まず、インスペクションとは「建物状況調査」のことです。

この調査結果が一定の要件を満たすと「既存住宅瑕疵保険(以下、瑕疵保険)」に加入することができます。

この、瑕疵保険に加入できるという点が、インスペクション最大のメリットです。

 

保険に加入するための調査ですから、人間で言うところの健康診断のイメージですね。

インスペクションでは、住宅の基礎や外壁等のひび割れや雨漏りなど、構造上の安全性、日常生活への支障があると考えられる劣化や性能低下の有無について専門家が調査を行います。

 

 

お伝えしておきたいことは「インスペクションの実施」は義務ではありません。

あくまで我々が売主様・買主様双方に「こんなものがあります。やりますか?やりませんか?」と概要の説明と実施有無の確認を取ることが義務付けられています。

つまり実施するか否かは、売主様の判断に委ねられているのです。

 

ちなみに、興味の有無に関わらず判断を問われますので、買主様も「インスペクションとは」「この物件は実施済か未実施か」ということを聞くことになります。

買主様にとってみれば、実施済みと未実施では「安心感に差が生まれる」ということは知っておいた方が良いでしょう。

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なお、売主様の承諾があれば、買主様がインスペクションを実施することも可能です。

ちなみに、不動産先進国であるアメリカでは、買主様による実施がほとんどだそうです。

アメリカの場合、文化的に「売主様が行った調査の結果は信用できない」と感じられることが多いからだと言われています。

インスペクションは、まだなじみのない方も多い分野です。

もう少し細かな部分もお伝えしたいと思います。

 

 

インスペクションに合格すると、瑕疵保険に加入できるのが大きなメリットであるとお話しさせて頂きました。

 

瑕疵保険に加入すると、住宅に不具合が発見された場合に、保険対象であれば修繕をしてもらうことができます。

補償額としては、1戸当たり最大1,000万円となっています。

中古住宅であっても、ある種の「品質保証」のような役割を果たすため、買主様にとっては大きな安心感を得られます。

 

ちなみに瑕疵(かし)とは、簡単に言えば不具合のことです。

瑕疵保険の対象となるのは、「雨漏り」や「給排水管の故障」「シロアリの害」「構造耐力上主要な木部の腐食」など、建物に関する物理的な不具合に限られています。

放火や窃盗などの事件、または事故歴などの心理的な瑕疵については対象外となっています。

 

また、瑕疵保険に加入している物件は、買主様の不動産取得税や登録免許税、さらには住宅ローン控除でもメリットが得られるようになっています。

安心面、金銭面、さまざまな面で物件の魅力を補強できる制度ですので、ぜひ活用もご検討ください。

 

インスペクションは発展途上の分野であると言われています。

そのため、費用についてはまだ「決まった相場」のようなものができていないのですが、おおよそ5万円から~20万円ぐらいのサービスが多いようです。

 

ここで1つ、気を付けるべきことがあります。

インスペクション最大のメリットは「瑕疵保険への加入が可能になる」でした。

 

しかし「インスペクション」といえば、全ての業者がこれに該当するわけではありません。

中には瑕疵保険との連動を想定していないサービスも存在しているのです。

そのため、手配をする前に、かならずそのインスペクションは目的にあったものか、精査をする必要があります。

「住宅瑕疵担保責任協会」という団体に認定を受けている業者であれば、瑕疵保険への対応は可能ですので、ご参考にして頂くと良いでしょう。

 

インスペクションはまだ歴史が浅く、運用していく中で制度が変わっていくかもしれません。

もしも活用をご検討される場合は、お早めにご相談頂けますと幸いです。

 

売却時に必要なお金⑤ 【測量費】

測量費については、マンションや、精度の高い資料が充分に揃っている場合などは不要になりますので、今回は読み飛ばしてお読み頂けますと幸いです。

 

まず前提の整理からですが、土地の売却時、売主様には「境界の明示義務」が生じます。

具体的には、現地での境界標の明示と、その境界標が正しいことを証明する測量図の発行を求められます。

境界については、「境界確定しているか」という点が非常に重要です。

「確定」とは、隣地と境界線について確認ができており、お互いが合意していることがわかる書面が残っている状況を指します。

 

また、境界には民有地同士の境界線である「民々境界」と、国や自治体の所有する官有地と民有地の境界を指す「官民境界」の2種類があります。

道路は比較的官有地が多いですから、土地と道路の境界は「官民境界が多くなっています。

 

民々境界で境界が確定している場合、隣地所有者との間で「筆界確認書」と呼ばれる書面を取り交わしているのが一般的です。

これは「お互いに境界を確認しあった」ということを書面にして、双方の署名捺印を済ませたものです。

また、筆界確認書がなくても「確定測量図」という測量図があれば問題ありません。

これらの書面には現地の境界標・境界杭の位置や形状が記載されていますので、そちらを用いながら、買主様に「これが境界です」と説明を行い、境界を明示します。

 

ちなみに確定測量図と似たもので「実測図」という資料が存在しています。

実測図の見た目は非常に「確定測量図」と似ていますが、境界が確定できていない可能性があるものですので注意が必要です。

 

土地の売却時には、境界の明示をする為にこのような測量資料が必要となります。

取得してからさほど年数がたっていない場合は、取得時の書類を見ていくと必要な情報が全て網羅されていることも少なくありませんので、契約時の資料を見返してみると良いでしょう。

また、デベロッパーが開発した分譲地であれば、多くの場合、境界は確定していますので、こちらも手間が少なく済むケースです。

 

一方で、古くから持っている土地、またはそのような土地の上に建っている戸建を売却する場合、境界が不明瞭のケースがあり、そうした場合に新たに測量図を作る必要が出てくるのです。

 

境界が確定していなかった場合は、測量会社に「確定測量図」を作ってもらいます。

そして、新たに境界確定をするのであれば、それなりに時間がかかる点は注意が必要です。

民々であっても隣地所有者に協力してもらい、立会い作業などが必要になりますし、官民となると役所が対応してくれるまで待たなければなりません。

道路の場合は反対側の所有者様の協力もいる為、登場人物が増え、さらに時間がかかります。

短くとも2~3ヵ月、長い時で半年、一年と、相手次第でいくらでも時間がかかってしまう可能性がありますので、測量については早めの着手が非常に重要となります。

 

確定測量の相場は50万円~100万円程度と言われており、隣接する土地の筆の多さや、登場人物の多さによって上振れしていきます。

予想以上に高くなってしまうようなケースもあるので、売却活動をするとなれば少なくとも見積りだけはすぐに取っておくべきでしょう。

 

ちなみに、測量作業は土地家屋調査士が行います。

有資格者による定型業務ですので、相見積によって値段が下がる性質のものではありませんが、金額に納得がいかない場合には、何社か見比べてみても良いかもしれません。

測量はとにかく時間とコストを必要とします。

必要になってしまう場合は、すぐに着手し始めましょう。

 

売却時に必要なお金⑥ 【税金】

 

最後に、不動産売却に関わる税金についてです。

不動産の売却し、利益が出た場合は「所得税」や「住民税」「復興特別所得税」などがかかるかもしれません。

しかし、不動産の状況や手元に残っている資料によっては課税されないケースも多々あります。

まず、不動産の売却に関する税金ですが、利益が出た場合にかかります。

売却すると必ず発生するわけではないというのがポイントです。

 

ちなみに課税対象となる利益部分ですが正式には「譲渡所得」と呼ばれており、以下の式で求められます。

譲渡所得 = 譲渡額 - 取得費 - 譲渡費用

 

少しわかりにくいのでかみ砕いてみます。

儲け=売れた金額-買った金額-売るときにかかった経費

 

売れた金額はそのまま、売却活動の後、成約となった価格になります。

 

買ったお金が厄介で、購入時の契約書か領収書などの証拠の書類がなければなりません。

 

ご自身で購入された場合は残っていることがほとんどですが、相続などの場合ですと「残っていない」ということは良くあります。

ちなみに見つからなかった場合は少し大変です。

通称「みなし5%」と呼ばれている制度があり、売った価格の5%だけを「買った金額」と認めるという制度で、かなりの金額が「儲け」として課税対象になってしまいます。

 

そして最後に、売却時にかかった経費を引けば、「儲け」つまりは譲渡所得を算出できます。

この経費は意外と幅広く、前回ご紹介した測量費なども含まれてきます。

領収証等が残っているもので、不動産に関連するものは積極的に申請していきましょう。

しかし、抵当権抹消費用など、申請できないものもありますので税理士等に確認をしながら仕分けが必要となります。

 

ちなみに、インスペクションに関しては、不動産を売るための経費であったかは個別性が強く判断が難しいところです。

ご不安であればこれも事前に税理士か税務署に確認しておくと良いでしょう。

 

これらの確認・計算を行った結果、譲渡所得がなければ課税対象にはなりません。

しかし、もしも譲渡所得があった場合、残念ながら所得税住民税復興特別所得税が課税となる可能性が高まります。

 

譲渡所得に対する税率は所有期間で変わってまいります。

所有期間が5年以下だと「短期譲渡所得」5年超であれば「長期譲渡所得」となり、短期は長期の2倍の税額になっていることがわかります。

 

・短期譲渡所得
所有期間:5年以下
所得税率:30%
住民税率:9%

 

・長期譲渡所得
所有期間:5年超
所得税率:15%
住民税率:5%

 

一点気を付けておきたいのは、この「5年」という区切りです。

この区切りは、売却した日の属する年の1月1日で判定します。

 

例えば2020年中の売却では、2020年1月1日が判定の基準日となります。

その為、取得日が2014年12月31日以前のものであれば長期譲渡所得に該当します。

取得日が2015年1月1日以後のものであれば短期譲渡所得です。

この日付を間違えると、税金が2倍にもなってしまうかもしれませんので、注意が必要になります。

 

ここまでの内容で、譲渡所得税の原則をご紹介させて頂きました。

しかし、譲渡所得税には非課税になる可能性がある特例措置が存在しています。

 

 

次回はこの特例措置についてのご紹介いたします。

 

売却時に必要な6つのお金

日光店 増渕 雅史

お客様の資産を預かる身としてやるべきことをしっかりやって行き、 地元の街で継続して、一定水準以上のサービスをご提供する努力を行って行きます。

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