注文住宅は売れにくい?後悔しない売却の流れと高く売る5つのコツ
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
「注文住宅って、売れにくいのでは…?」
「こだわって建てた家、ちゃんと評価されるだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちではありませんか?
注文住宅は、自分や家族の希望を叶えて建てた住まいだからこそ、売却時に「この価値をちゃんと理解してもらえるか」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
注文住宅は、間取りや設備に個性がある分、買い手の好みと合わなければ売れにくい側面もありますが、見せ方や販売戦略を工夫することで、高く売却できる可能性も十分あります。
そこで今回は、注文住宅をスムーズに売却するための流れや必要書類、高く売るための工夫や注意点を、不動産のプロ目線でわかりやすく解説します。

注文住宅は高く売却できる?
結論から言いますと、注文住宅は必ずしも高く売れるとは限りません。
建てた人のこだわりが反映されている分、万人に受け入れられにくい一面があるからです。
「注文住宅は売れにくい」と言われる理由は、主に下記の3つがあります。
- 独特な間取りや装飾が、買い手にとって「使いにくい」と感じられる
- デザインや設備が奇抜である場合があり、購入後に手を加える必要がある
- 建築当時のこだわりが、現在のニーズと合わない
こうした理由から、希望する期間や価格で売れないケースもあります。
とはいえ、「こんな家に住みたかった!」と買い主のニーズとマッチすれば、注文住宅ならではの魅力が評価され、高値で売却できる可能性も十分あります。
特に、次のような条件を備えていれば、建売住宅以上に高く評価されるケースもありますよ。
- 築浅でメンテナンスが行き届いている
- 広さや設備、収納などが平均的ニーズと合致している
- 周辺環境や立地に魅力がある
- 保証書や点検履歴が整理されており、安心感がある
注文住宅は「売れにくい」と一概にはいえず、買い主の好みと合致すれば、むしろ好条件で売れることも期待できるでしょう。
なお、建売住宅の売却については、「建売住宅を売却するなら知っておきたい流れと成功のコツ」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
注文住宅の売却の流れをチェック!
注文住宅の売却は、基本的な手順としては通常の不動産売却と大きく変わりません。
ただし、個別性の高い住宅だからこそ、スムーズに進めるための配慮や準備が重要になります。
注文住宅ならではのアドバイスを交え、売却活動の流れを5つのステップで整理していきましょう。
ステップ① 不動産会社に査定を依頼する
まずは、不動産会社に査定を依頼し、物件の売却価格の目安を把握しましょう。
査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定(現地での査定)」がありますが、注文住宅の場合は、なるべく複数の不動産会社に訪問査定を依頼することをおすすめします。
注文住宅は間取りや設備、仕様などに個性があるため、実際に現地で物件を見てもらわなければ正しく評価するのが難しい場合があります。
会社ごとに査定の観点や評価の軸が異なるため、比較することで納得感のある査定額や販売方針が見えてきます。
ステップ② 媒介契約を結ぶ
査定結果や各社の対応を比較し、信頼できると感じた不動産会社と「媒介契約」を結びます。
媒介契約には下記の3種類があります。
- 専属専任媒介契約:1社限定で依頼。サポート体制が最も手厚い
- 専任媒介契約:1社限定で依頼。自分で買い主を探して取引することも可能
- 一般媒介契約:複数の不動産会社に同時に依頼可能
それぞれの特徴を把握して、自分に合った媒介契約を選びましょう。
なお、注文住宅の場合は、物件の個性や特徴を的確に説明できる担当者であるかも重要な選定ポイントです。
媒介契約については、「媒介契約にはどんな種類がある?種類ごとのメリットデメリットを解説」で詳しくお伝えしていますので、ぜひご参照ください。
ステップ③ 売却活動・内覧対応を行う
媒介契約後は、不動産会社が広告を出して販売活動を開始します。
このタイミングで、購入希望者から内覧希望が入るようになります。
注文住宅は設計やデザインに個性がある分、好みが分かれやすいため、第一印象の良し悪しが成約率を大きく左右します。
特に以下の点を意識して準備しましょう。
- 間取りや動線の良さが伝わるよう、室内をすっきり整理しておく
- オーダー設備や造作家具の機能性・魅力がわかるよう見せ方を工夫する
- 特徴的な設計や素材には、図面・仕様書・設備カタログなどを活用し、こだわりの背景や使い勝手を簡潔に伝える
購入希望者が「この家での生活がイメージできる」「こだわりが自分にも合いそう」と感じられるよう、魅力と実用性が伝わる準備を整えることが大切です。
ステップ④ 売買契約の締結を行う
買い手が見つかり、条件がまとまれば売買契約を結びます。
契約時には、物件に関する「重要事項説明」を受けた上で、売り主・買い主ともに書類へ署名押印を行います。
注文住宅の場合、建物に関する説明がより細かくなることもあるため、契約内容が複雑になることもあります。
図面や設備仕様書、修繕履歴などを事前にまとめておくと、説明もスムーズに進むでしょう。
ステップ⑤ 引き渡し・決済を行う
売買契約が完了したら、売却代金の決済と物件の引き渡しを行います。
その際、所有権の移転登記、住宅ローンの残債がある場合は抵当権の抹消などの手続きが必要になります。
注文住宅の売却に必要な主な書類
注文住宅の売却では、以下のような書類をあらかじめ整理しておくとスムーズです。
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 間取り図・建築確認済証・検査済証
- 仕様書・設計図書・保証書・修繕履歴など
特に注文住宅では、図面や仕様書など「家のこだわり」が伝わる資料があると、買い主に安心感を与えられます。
できる限り丁寧に情報を整理し、不動産会社にも共有しておくと良いでしょう。
注文住宅を高く売却するコツと注意点

注文住宅を少しでも高く売るには、買い手に「この家に住んでみたい」と思ってもらえるような印象づくりが重要です。
売却成功に向けたコツと注意点を、下記5つのポイントとしてご紹介します。
ポイント① 築年数や状態に応じた見せ方を工夫する
注文住宅は、間取りやデザインに個性がある分、買い手によって好みが分かれやすい傾向があります。
だからこそ、築年数や住宅の状態に応じて、第一印象で好感を持ってもらえるような工夫が大切です。
【工夫のポイント】
- 築10年前後なら、水回りや内装の補修、点検記録の提示が信頼感につながる
- 築20年以上であれば、必要に応じて外壁や設備の一部を補修し、古さをカバーする
また、こだわりの設備や造作がある場合は、使い方のポイントや手入れ方法などをあわせて伝えると、買い手に「自分でも使いこなせそう」と思ってもらえる可能性が高まります。
ポイント② 外回りの清掃・手入れも忘れずに
庭や玄関周辺、駐車場といった外回りも、物件の第一印象を大きく左右する要素です。
雑草や落ち葉が放置されていると、建物本体の魅力まで損なわれてしまう可能性があります。
樹木の剪定や簡単な清掃をしておくだけでも、「丁寧に管理されていた家」「手入れの行き届いた家」という印象を与えることができます。
ポイント③ リフォームは慎重に判断する
リフォームは、買い手の好みに合わなければ評価されず、費用をかけても売却価格に反映されにくいケースが多いのが実情です。
また、注文住宅は設備や間取りに個性があるため、リフォームによって魅力が損なわれてしまうことや、せっかくの良さを消してしまうリスクもあります。
リフォームすべきか迷ったら、不動産会社に相談し、まずは本当に必要な対応かどうかを見極めてもらいましょう。
部分的な補修やクリーニングで十分な場合も多いため、判断は慎重に進めるのがおすすめです。
ポイント④ 売却理由をごまかさず、誠実に伝える
買い手は、売り主の言動からも「安心できる物件か」を見極めています。
特に築浅物件の場合は、早期に売却する理由を気にする・知りたい買い主が多い傾向にあります。
売却理由を曖昧にすると不信感を与える可能性があるため、たとえネガティブな理由でも「生活環境の変化による住み替え」など、実生活に根ざした事情として、誠実に伝えることが信頼感につながるでしょう。
ポイント⑤ 不安な点は不動産会社と相談しながら判断する
注文住宅は独自性が高いため、「どう見せれば魅力が伝わるか」と悩むことも多いものです。
そうした場合は、早めに不動産会社へ相談し、第三者の視点でアドバイスをもらうのが効果的です。
特に、注文住宅の売却に強い、実績のある不動産会社なら、物件の価値を活かせる提案が期待できます。
査定の際には「どこを整えるべきか」「どのような見せ方が効果的か」など不安点を率直に伝え、対応力や提案内容を見極めると、信頼できるパートナー選びにもつながるでしょう。
注文住宅を売却するなら印象づくりがカギ
注文住宅は、建てた人のこだわりが詰まった唯一無二の住まいです。
一方、その個性が買い手にとっては「扱いづらい」と感じられることもあり、売却が難しくなることもあります。
注文住宅の売却に大切なのは、「この家に住んでみたい」と思ってもらえるような印象づくりと、丁寧な売却準備です。
築年数や状態に応じた見せ方、外回りの手入れ、リフォームの判断、誠実な情報提供、そして信頼できる不動産会社との連携など、これら一つひとつの積み重ねが、スムーズな売却と納得の価格につながります。
注文住宅の魅力を正しく伝えるには、客観的な視点と専門的なサポートが欠かせません。
印象アップの工夫としては、室内の整理整頓や写真の工夫なども効果的です。
迷ったときは、注文住宅の売却実績がある不動産会社に相談することをおすすめします。
栃木県で注文住宅の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

宇都宮店 土屋 清
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