建売住宅を売却するなら知っておきたい流れと成功のコツ
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
「建売住宅って、本当に売れるの?」
「希望価格で売却できるのだろうか…?」
そんな不安や疑問をお持ちではありませんか?
実は建売住宅は、万人受けしやすい間取りや仕様に加え、売却に必要な書類があらかじめ整っているケースが多く、比較的スムーズに売却しやすい住宅タイプといえます。
そのため、「早期売却だけでなく、高値での売却も狙いたい」と希望される方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、建売住宅の売却における流れや必要な準備、高く売るためのポイントを、不動産のプロの視点でわかりやすくご紹介します。

建売住宅は高く売却できる?
建売住宅とは、すでに建築された住宅と土地をセットで販売する形式の住宅です。
※完成済みだけでなく、建築中や完成予定の状態で販売されることもあります。
一般的には新築で販売されることが多い建売住宅ですが、売却されて中古市場に出るケースも多く、比較的スムーズに売却しやすい住宅タイプです。
建売住宅は売れやすい物件といえる理由
建売住宅は、3LDK〜4LDKなどの万人受けしやすい間取りや、標準的なデザイン・設備仕様が採用されている場合が多く、幅広い購入層に対応できるのが特徴です。
また、販売時に施工会社が取得した建築確認済証や検査済証、境界確定図、間取り図など、売却に必要な書類が一式揃っているケースが多く、手続きの手間が少ない点もメリットといえます。
こうした特性により、建売住宅は「探しやすく・買いやすい」物件として評価されやすく、流通も比較的スムーズです。
建売住宅が高く売れるかは条件次第
とはいえ、「建売住宅は売れやすい=高値で売れる」とは限りません。
建売住宅は個性を打ち出しにくい傾向があるため、価格が相場や条件に大きく左右されます。
特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
- 駅から遠く利便性が低い
- 商業施設や学校が近くにない
- 築年数が経過し、外観や設備の劣化が目立つ
- 接道条件や日当たりが良くない
こうした要因がある場合、価格交渉で不利になったり、そもそも買い手が見つかりにくくなったりする可能性もあります。
建売住宅の「売れやすさ」を過信せず、物件ごとのコンディションを冷静に見極めておくことが大切です。
なお、「注文住宅との違いも気になる」という方は、「注文住宅は売れにくい?後悔しない売却の流れと高く売る5つのコツ」もあわせてご覧ください。
注文住宅の売却について解説しています。
建売住宅売却の流れをチェック!
建売住宅を売却する際の手順は、基本的には一般的な不動産売却と同じです。
とはいえ、「初めての売却で何から始めれば良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、売却活動の全体像を5つのステップに分けてご紹介します。
ステップ①不動産会社に査定を依頼する
まずは、現在の相場を把握するために、不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定(現地査定)」の2種類があります。
建売住宅の場合、まず机上査定を複数社(3〜5社程度)に依頼して、相場の目安を把握する方法がおすすめです。
建売住宅は分譲地内や近隣に類似の物件が多く、価格の比較がしやすい傾向にあるからです。
複数の査定結果を比較することで、物件の妥当な相場や不動産会社ごとの戦略の違いが見えてきます。
その上で、より詳しく建物の状態や周辺環境を踏まえた評価を希望する場合は、最も信頼できそうな不動産会社に訪問査定を依頼すると良いでしょう。
ステップ②媒介契約を結ぶ
査定結果を比較し、納得できる価格や対応をしてくれた不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には以下の3種類があり、それぞれ特徴があります。
- 専属専任媒介契約:1社限定で依頼。販売報告が義務化され、サポートが手厚い
- 専任媒介契約:1社限定だが、自力で買い主を見つけた場合にも契約可能
- 一般媒介契約:複数社に同時依頼可能
建売住宅は周辺の相場や類似事例が豊富なため、早期売却が見込める地域では、専任契約で集中的に販売する方法も効果的です。
媒介契約については、「媒介契約にはどんな種類がある?種類ごとのメリットデメリットを解説」で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
ステップ③売却活動・内覧対応を行う
契約後、不動産会社が広告を出し、販売活動が始まります。
同時に、内覧希望者の対応も必要になります。
建売住宅は標準仕様で汎用性が高いため、第一印象が非常に重要です。
清掃・整理整頓・換気・明るさの確保など、基本的な見た目の印象を整えることで、物件の魅力をしっかり伝えることができます。
特に、水回りや玄関まわりなど「印象に残りやすい場所」は重点的に整えておくと効果的です。
ステップ④売買契約の締結を行う
買い主が見つかり、条件に合意できれば、売買契約を結びます。
契約時には、不動産会社から「重要事項説明」を受け、契約内容をしっかり確認した上で署名・押印します。
建売住宅の場合、間取りや構造が明確で、追加の説明が少なく済むことも多く、契約までの流れも比較的スムーズです。
ただし、不具合や修繕履歴などについては正確に伝える必要があります。
ステップ⑤引き渡し・決済を行う
売買契約が完了したら、最終的な代金の授受と物件の引き渡しを行います。
同時に、所有権の移転登記、住宅ローンが残っている場合は抵当権の抹消手続きなども必要です。
建売住宅の売却に必要な書類
売却にあたっては、次のような書類を事前に準備しておきましょう。
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 間取り図・建築確認済証・検査済証など
建売住宅は、こうした書類が購入時から一式揃っているケースが多いため、紛失さえなければ比較的スムーズに準備できます。
建売住宅を高く売却するコツと注意点

建売住宅を高く売るには、「この家なら安心して暮らせそう」と買い手に思ってもらえるよう、丁寧に整えることがカギとなります。
注文住宅のような「個性的」なアピールが難しい分、「管理状態の良さ」や「信頼できる売り主かどうか」といった実直なポイントが評価に直結しやすいからです。
ここでは、高く売るために意識したい3つのポイントを解説します。
ポイント①築年数や状態に応じた売却戦略を立てる
建売住宅は、基本的な仕様が標準化されている分、築年数や使用状況によって評価が大きく変わります。
だからこそ、状態に応じた「見せ方の工夫」が価格にも影響を与えます。
内覧前の準備が印象を左右するため、築年数や物件の状態に応じた整え方を意識しましょう。
内覧の印象アップについては「家の売却は内覧が重要!事前準備や印象UPのポイントをチェック」のコラムで詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
築5年未満の場合
新築に近い状態で劣化が少ない場合が多いでしょう。
最低限の清掃・整理だけでも高評価につながりやすいといえます。
築10年前後の場合
経年劣化が気になり始める時期です。
クロスや床の補修は必ずしも必要ではありませんが、丁寧に掃除をしておくなど、大切に使ってきたことが伝わるような状態を心がけたいものです。
保証書や点検記録があれば信頼感も高まります。
築20年以上の場合
建物評価が下がり、土地の価値が重視されやすくなります。
不動産会社への相談をもとに必要に応じて部分的に補修しつつ、価格とのバランスを考えた売却戦略が必要です。
ポイント②リフォームは慎重に判断する
「きれいに直してから売れば高くなるかも…」と考える方もいますが、リフォームは必ずしもプラスになるとは限りません。
費用をかけても、買い手の好みに合わなければ評価されず、むしろマイナス評価になることもあります。
<そのまま売るメリット>
- リフォーム費用がかからない
- 早期売却につながる可能性がある
- 買い主が自分好みに自由にリフォームできる
<そのまま売るデメリット>
- 劣化の印象が価格交渉の材料になる
- 売却期間が長引く可能性がある
まずは不動産会社に相談し、補修の必要性や費用対効果を見極めてから判断するのが賢明です。
ポイント③契約不適合責任に備えておく
安心して購入できるよう、物件の状態を正確に伝えることは、高値売却を目指す上でも重要なポイントです。
万が一「そんな不具合があると知っていれば買わなかった」といったトラブルが起きれば、売り主は「契約不適合責任」を問われる可能性があります。
これは、引き渡した物件に契約内容に適合しない欠陥や不備があった場合、売主が責任を負うことを定めた制度です(2020年の民法改正により「瑕疵担保責任」から改称)。
トラブルを未然に防ぎ、信頼感を高めるために、以下のような対策を講じておきましょう。
【契約不適合責任への対策】
- 給排水・基礎・屋根など、不具合の有無を事前にチェック
- 修繕・点検履歴や保証書があれば整理して提示できるようにする
- 状況に応じて「既存住宅売買瑕疵保険」への加入や「インスペクション(住宅診断)」の実施も検討
こうした正直で丁寧な情報提供は、買い手からの信頼を高め、価格交渉でも有利に働く可能性があります。
建売住宅を売却するなら「安心感」を買い手に与える工夫を
建売住宅の売却は、築年数や立地などの条件によって価格が左右されますが、万人受けする間取りや書類が整っていることが多い特性から、比較的スムーズに進めやすい住宅タイプです。
高く売るためには、内覧の印象づくりや築年数に応じた見せ方、リフォームの是非、不備への備えなど、細かな準備や判断がカギとなります。
特に、「この家なら安心して暮らせそう」と感じてもらえるような工夫が、売却成功のポイント。
「どこを整えれば良い?」「このまま売っても大丈夫?」と迷ったら、まずは不動産会社に相談し、自分の家に合った売り方を見極めることが大切です。
信頼できる不動産会社と一緒に進めることで、安心して売却活動を進められるでしょう。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

宇都宮店 土屋 清
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