空き家のこと

空き家を3年以上放置すると罰金・罰則がある?リスクや対策を解説

こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。

 

「空き家を3年以上放置しているけれど、行政措置を受けることはないのだろうか」

「このまま放置していたら、罰金が科せられるのでは?」

 

そんな不安や疑問を抱えていませんか?

 

実は、空き家を3年放置したからといって、すぐに罰金や罰則が科されるわけではありません。

 

しかし、管理状態が著しく悪化すれば、法的措置を受けるリスクがあります。

 

また、空き家を放置すると維持費や税金の負担、近隣住民とのトラブルなど、さまざまな問題が発生する可能性も。

 

今回は、空き家を3年以上放置した場合の法令上の扱いやリスクを具体的にご紹介します。

さらに、放置空き家にしないための対策や、早めに相談するメリットについても詳しく解説していきます。

空き家

 

 

空き家を3年放置すると罰金・罰則の対象になる?法的リスクと仕組みを解説

空き家を3年以上放置したからといって、すぐに罰金や行政措置が取られるわけではありません。

 

しかし、管理が不十分で家屋の状態が著しく悪化すれば、法律に基づき「特定空き家」に指定される可能性がある点には注意が必要です。

 

「特定空き家」に指定されると、固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が解除されたり、50万円以下の過料が科されたり、最終的には行政代執行を受ける可能性もあります。

 

なぜ「特定空き家」に指定されてしまうのか?指定の条件は?

空き家を放置した場合の法的な位置づけを定めているのが、2015年(平成27年)施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。

 

この法律により、自治体は管理不全の空き家に対して、助言、指導、勧告、命令、行政代執行といった段階的な措置を講じられるようになりました。

 

行政が「特定空き家」と判断する主な条件は以下の通りです。

  • 倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれがある状態
  • 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている状態
  • 近隣の生活環境の保全を図るために放置が不適切と認められる状態

 

ポイントは、空き家の放置期間そのものが基準になるのではなく、「現状の建物・敷地の状態」で判断される点です。

 

「特定空き家」に指定されたらどうなる?行政対応の流れとその影響も確認

特定空き家に指定された後の行政がとる対応・措置は、以下のステップで進むことが多いです。

  1. 助言・指導:自治体が改善を促す行政指導を行う
  2. 勧告:一定期間改善されない場合、正式に勧告を出す(この段階で住宅用地特例の解除の可能性あり)
  3. 命令:勧告に応じない場合、法令に基づく改善命令を発する
  4. 行政代執行:命令違反が続くと、自治体が強制的に修繕・撤去などの措置を取り、その費用を所有者に請求

 

勧告を受けた段階で住宅用地特例が解除され、翌年度以降の固定資産税が最大6倍になる可能性があります。

 

また、行政代執行による撤去・修繕の費用は、所有者に請求される点も知っておきましょう。

 

2023年の改正法と「管理不全空き家」についても確認

2023年(令和5年)施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正で、「管理不全空き家」という区分が新設されました。

 

この改正によって、まだ深刻な被害が出ていない段階でも、将来的に特定空き家となるおそれがある空き家に対し、行政が助言・指導・勧告を行えるようになりました。

 

そのため、「管理不全空き家」に対して勧告が行われた場合にも、住宅用地特例の解除措置が取られる可能性があります。

 

このように、従来より早い段階で税制面・行政対応面のリスクが生じやすくなったといえます。

 

現時点の制度では家屋の放置期間ではなく、「周囲に悪影響を及ぼしているか」が判断基準となるため、長期間使わない家でも最低限の管理をしておくことが大切です。

 

「特定空き家」と「管理不全空き家」については、下記のコラムで詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご参照ください。

特定空き家と管理不全空き家の違いとは?近年の空き家の現状も確認

特定空き家とは?指定されるケースや罰則をチェック!

 

 

3年以上空き家を放置するとどうなる?リスクを具体的に知ろう

空き家を3年以上放置すると、建物・治安・経済・人間関係など多方面に深刻なリスクが生じる可能性があります。

 

具体的にどんなリスクがあるか、分野別にご紹介します。

 

建物・安全面のリスク

人が住んでいない建物は、劣化の進行が早くなります。

換気がなされないことで湿気がこもり、特に木造住宅では、柱や梁の腐朽・カビ発生リスクが高まります。

 

また、屋根材や外壁が傷むと、外壁の一部が落下する危険性、屋根材の飛散など、周囲への被害リスクも増大するでしょう。

 

さらに、雨漏り、シロアリ被害、上下水道管・ガス管の破損などが放置されると、修繕費も膨らみます。

加えて、自然災害(台風、地震、大雪など)が直撃した際には、倒壊や二次災害(隣家被害、通行人被害など)が起こる可能性もあります。

 

防犯・治安のリスク

管理されていない空き家は、犯罪の温床になりやすい傾向があります。

 

放火、不法侵入、不法投棄、空き巣被害などを受けやすく、場合によっては違法薬物の取引場所として悪用されるケースも報じられています。

 

こうした犯罪リスクは、地域全体の治安を悪化させ、周辺住民の不安につながるでしょう。

 

また、空き家・空地が管理不良状態にあると、放火による火災発生の可能性が高まりやすいといわれています。

 

「空き家の防犯対策が知りたい」という場合は、ぜひ「空き家の防犯対策を解説!防犯対策が必要な理由や難しいときの対処法も」もあわせてご覧ください。

 

衛生・環境のリスク

空き家の長期間の放置は、衛生・環境面にも深刻な問題を引き起こします。

 

ネズミや害虫の繁殖による悪臭や衛生被害、雑草・樹木の伸長、庭木の枝が隣地へ越境することなどはよく見られる事態です。

 

また、これらが景観を著しく損なうことで、地域全体の見た目・印象が劣化し、周辺の不動産価値にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

経済的・資産価値のリスク

「特定空き家」に指定されると、住宅用地特例の適用が外れ、固定資産税が最大で6倍程度跳ね上がる可能性があります。

都市計画税についても特例が外れることで、課税額が大幅に上がるケースがあります。

 

さらに、空き家であっても固定資産税といった税金の支払い義務が継続し、放置期間が長いほど修繕費、害虫駆除対策、庭木の伐採・整地費用などの管理コストがかさみます。

 

建物の劣化が進むと資産価値が急落し、売却価格の大幅な下落、もしくは買い手不在といった事態を招きかねません。

 

空き家にかかるコストについては、「空き家の維持費を解説!管理費や税金など内訳や年間総額を知ろう」で解説しています。

 

法的・心理的リスク

老朽化した建物の倒壊が原因で、隣家や通行人に損害を与えれば、所有者が損害賠償責任を負う可能性があります。

 

また、草木の越境、害虫被害、悪臭などによる苦情対応は精神的なストレスとなり、近隣関係を悪化させる要因にもなります。

 

これらの問題解決には、時間・費用・労力が必要となり、所有者の日常生活にも影響を及ぼすでしょう。

 

 

放置空き家にしないための対策は?管理方法・活用方法をご紹介

空き家を放置しないためには、定期的な管理が必要です。

 

管理が難しい場合は、有効活用できないか考えたり、必要に応じて売却して手放すことを検討したりする方法もあります。

 

ここでは、自分でできる管理のポイントと、活用・処分の選択肢を紹介します。

 

自分でできる空き家の管理方法

まず、所有者としてぜひ行なっておきたい管理方法は、次の通りです。

  • 定期的な見回り:屋根・外壁・窓・雨漏りなどを確認
  • 室内の掃除:掃き掃除・拭き掃除で湿気やカビを防ぐ
  • 通水作業:水道を流して配管の詰まりや悪臭を防止
  • 庭木の手入れ:剪定・除草で越境や害虫被害を防ぐ
  • 郵便物の管理:郵便物の滞留を防ぎ、防犯リスクを軽減

 

遠方在住や高齢などで自分で空き家の管理が難しい場合は、空き家管理サービスや管理会社を活用するのも有効です。

換気・通水・庭木の手入れなどを専門業者が代行してくれます。

 

詳しい管理の方法については「空き家を自分で管理する方法をご紹介!管理が難しい場合の対策も確認」で解説しています。

 

空き家の活用方法

「誰も住まないまま空き家にしておくのがもったいない」「管理が難しいが不動産として残しておきたい」と感じるなら、以下のような活用法もあります。

  • 賃貸として貸し出す:家賃収入を得ながら劣化を防ぐ
  • リフォームして利用する:自分や親族の住居・セカンドハウスなど
  • 駐車場として活用する:建物を解体後に更地として貸し出す
  • 別用途にリノベーションする:カフェ、民泊、レンタルスペースなど、地域需要に応じた活用をする

 

立地や周辺環境によっては、カフェや民泊などへのリノベーションが地域活性化にもつながります。

需要を調査した上で、適切な活用方法を検討すると良いでしょう。

 

空き家の活用方法は、「空き家放置はリスクがたくさん!活用方法やすぐできる解決方法をご紹介」で詳しくご紹介していますので、あわせてご参考にしてください。

 

空き家を手放す選択肢もある

空き家を活用するのが難しい場合や、維持費・管理負担が大きい場合には、手放す方法も視野に入れましょう。

 

主な選択肢は、以下の通りです。

  • 売却:不動産会社を通じた仲介や、よりスピーディーに現金化できる「不動産買取」を活用する
  • 解体:建物を解体し、更地として売却や貸地にする
  • 寄付:自治体やNPOなどへ無償譲渡する

 

どの方法が適しているかは、物件の立地や状態、将来のライフプランによって変わります。

 

コスト・税制・市場動向を含めて、専門家に相談しながら判断することが大切です。

 

空き家の解体については「空き家は解体して売却するべき?メリットデメリットや費用目安を解説」で詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

 

空き家は放置せず、早めに相談するのがおすすめ!メリットや相談先も確認

空き家

空き家は「そのうち対応しよう」と放置すると、資産価値の低下、税負担の増加、近隣トラブルなど、さまざまな問題に発展する可能性があります。

 

専門家や専門機関に早めに相談・行動することが、資産を守り、余計な負担を避けるための重要なポイントです。

 

空き家を放置せず早めに相談するメリットや、相談できる専門家と窓口をご紹介します。

 

空き家を放置せず、早めに相談するメリット

早期相談には、具体的に次のような利点があります。

 

①補助金・助成金を活用できる可能性が高まる

多くの自治体では、空き家の解体やリフォーム、耐震改修などに補助金制度を設けています。締切や予算枠があるため、早めに動くほど利用しやすくなります。

 

②売却しやすいタイミングを逃さない

建物が劣化する前に売却すれば、買い手がつきやすく、価格を高く維持できます。

 

放置期間が長くなるほど修繕費がかさみ、結果として値下げを余儀なくされるリスクが高まります。

 

③選択肢が多い状態で判断できる

建物の状態が良いうちは、賃貸・リフォーム・売却・解体など、複数の選択肢を比較検討できます。

劣化が進むと選択肢が限られ、費用負担も大きくなります。

 

④精神的な負担を軽減できる

相談先から具体的な解決策を得ることで、将来への不安を一人で抱え込まずに済みます。

 

空き家の状況や目的に応じて相談できる専門家と窓口

空き家の状況や目的に応じて、次のような専門家・機関に相談できます。

 

不動産会社

売却や賃貸を検討する場合には、市場価値の査定や販売戦略について、専門的な提案を受けられます。

 

管理会社・空き家管理サービス

空き家の定期的な見回り、清掃、通水など、管理業務を代行してもらえます。

遠方に住んでいる場合や、高齢で管理が難しい場合に安心です。

 

解体業者

建物の解体や更地化に関する費用の見積もりや工事の流れについて、詳しい説明を受けられます。

 

司法書士

相続、所有権移転、登記など、法的な手続きをスムーズに進めるためのサポートを受けられます。

 

自治体の空き家相談窓口

地域の支援制度や補助金情報を把握しており、状況に応じて適切な専門家を紹介してもらえます(制度内容は自治体によって異なります)。

 

空き家バンク

自治体が運営するマッチングサービスで、地域に根ざした売買や賃貸のサポートを受けられます。

 

 

空き家の3年以上放置で行政リスクの可能性も!管理不全・特定空き家指定前に早めの対策を

空き家を3年放置しただけで罰金や罰則が科されるわけではありません。

 

ただし、管理が不十分な状態が続くと、「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定されることがあります。

 

行政指導でも改善が見られない場合には勧告が行われ、対応しないと「住宅用地特例」の適用が外れ、固定資産税の負担が増える場合があります。

 

さらに、命令に従わなかった場合には、過料(50万円以下)や行政代執行が行われるなど、さまざまなリスクが発生することを知っておきましょう。

 

空き家を保有する場合は、定期的な見回り、清掃、通水、庭木の手入れなどの基本的な管理が大切です。

管理が難しい場合は、賃貸・売却・解体・寄付などを早めに検討することをおすすめします。

 

また、空き家の所有でお悩みなら、早めに専門家や専門機関へ相談するのも有効です。

 

相談することで、補助金制度が利用できるケースがあるほか、売却を考えている場合も適切なタイミングで売り出すことができるでしょう。

 

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

 

空き家を3年以上放置すると罰金・罰則がある?リスクや対策を解説

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